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令和3年学長年頭挨拶

中野学長あけましておめでとうございます。東京は今年も冬晴れの元旦となりました。

しかし、新年を寿ぐ正月とはいえ、例年とは大きく異なる思いでお迎えの皆さんも多いのではないでしょうか。昨年の年明けとともに中国から始まったCovid-19新型コロナウイルス感染症の世界的大流行(パンデミック)は、ワクチン治験成功の朗報が希望を与える一方で現在も世界各地で感染拡大が続き、多くの人々が犠牲となっています。その社会と経済への衝撃は世界の隅々にまで及び、ひとりひとりの暮らしに深刻な影響をもたらしています。この危機に際して、不幸にして病に倒れた人々を追悼するとともに、パンデミックがもたらした様々の打撃に苦しむあらゆる人々と思いを共有したいと思います。

一橋大学コミュニティの皆さんも、そのひとりひとりがコロナ禍によってそれまでの日常を奪われ、新たな日常への対応に明け暮れる一年を過ごさなければなりませんでした。四季折々に美しいとはいえ、学生の姿が余りにも少ない国立キャンパスの景色には、私も寂しさを覚えずにはいられません。さらに、昨年11月以来の第3波感染拡大では、大晦日の東京で新規感染者が1300人を超えたとの報道で衝撃を与え、1月2日には首都圏4知事が政府に対して緊急事態宣言の再度の発出を要請する事態となっています。これからもパンデミックとの厳しく長い戦いの日々が続いていきます。全ての関係者の安全の確保と感染拡大の防止に万全を期しつつ、一橋大学がその責務を果たしていけるよう、全員で力を合わせて行きましょう。

ここであらためてふり返ると、1875年の創立以来、一橋大学は、変化する時代の要請に応えながら社会的課題の解決に資する社会科学の発展と次代を担う卓越した人材の育成に邁進してきました。一昨年には「我が国の人文社会科学分野において教育研究の卓越性を誇る大学」として指定国立大学法人の指定を受け、日本の社会科学の改革を牽引する拠点を形成し、グローバル?ウェルフェアに貢献することをめざしています。

そのような大学であるからこそ、一橋大学は、現在パンデミックが世界にもたらしている危機の克服に向けて、教育研究を通じてより一層の貢献をすべく努力していかなければならないと考えています。そしてすでに、コロナ禍において広く日本と世界の市民が懸念と関心をもち、様々な見方が錯綜している事柄について、社会科学の明晰な方法論および証拠としてのデータに基づく研究が、一橋大学から次々と発信されています。また、社会科学高等研究院医療政策?経済研究センターなどから、医療崩壊を防ぎ、医療提供体制を維持するために必要な方策や、苦境に陥っている企業や市民に対する公的支援の規模や内容を判断するための学術的な知見や提言も、次々と発信されています。これら喫緊の課題に対する学術研究を通じた貢献は、私たちが一橋大学を世界最高水準の社会科学の教育研究拠点にするために社会からの支援を得て行っている改革が、大学間競争に勝ち抜き生き残ることを自己目的化するものではなく、社会に共同の利益をもたらすためであることを再確認させてくれます。それだけに私たちは、何のために、卓越したコミュニティである一橋大学をさらに世界に誇る人材育成と知識創造の拠点に向けて育てていこうとしているのか、その原点を忘れてはならないと思います。

ひとりひとりの健康を自ら守ることが、全ての人々の健康と社会を守ることになるということが今ほど強調されている時はありません。どうか皆さんお体を大切に、元気に新しい一年を乗り切っていきましょう。本年も、どうぞよろしくお願いいたします。

令和3年1月4日
一橋大学長 中野 聡

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